からくり通信

2006年10月10日 第21号

米国、パズル展示室にからくりコーナーが/研究会以外の作品を紹介します

●インディアナ大学のパズル展示室に「からくり」コーナーが!

 今年8月、インディアナ大学にパズルの展示室がオープンし、世界中のパズル約400点が展示されました。その中に、からくり創作研究会の「からくり細工」を並べた「からくりコーナー」が出来ました。
研究会は、発足以来、常に新しい作品の創作に取り組んできました。そうした研究会の創作活動のベースには、箱根・小田原地方の「からくり細工」の長い歴史があります。こうして、この地方から生まれた作品が注目を集めることは、この地方の「からくり細工」の、今後の更なる発展の可能性を感じさせてくれるものです。
展示室では、この地方の伝統的な秘密箱や組木、貯金箱などが、11の展示ケースのうち4ケースに渡って散りばめられ、展示全体から見ても、かなり大きな位置を占めるものとなりました。この地方の「からくり細工」は、世界のパズル全体から見ても重要な位置を占めるものであり、最も注目を集める分野の1つなのです。

コレクションの中には多数の「からくり細工」も
 この展示室は、インディアナ大学(米国)リリーライブラリーのスローカムパズルルーム(Lilly Library Slocum Puzzle Room)。著名なパズル収集家・研究家であるジェリー・スローカム氏は、氏の3万点以上のパズルコレクションと4千冊近いパズル関連の本を同図書館に寄贈すると発表。その中には、箱根・小田原地方の「からくり細工」も多数含まれています。例えば、この地方の愛らしい組木の数々は、JWIP(ジェーウィップ、Japanese Wooden Interlocking Puzzles)と呼ばれ、1つのジャンルをも形成しています。展示室の作品は、その収集品からセレクトされたものです。写真は図書館の外観および展示室の内部です。

リリーライブラリー

スローカムパズルルーム

 

 

●ニューヨーク・タイムズにからくり登場

 NYT紙に「からくり細工」が登場しました。掲載された作品は「カシオペア(亀井作)」。イラスト付きでその細かな構造まで紹介されました。文中には「karakuri」という単語も出てきます。
 

 

●研究会以外のからくりやパズルを紹介していきます!

 これまで研究会は、会が発足当初から掲げた一番の目的通り、自分たち自身の作品の創作に取り組んできました。発足からの7年間で、創作した作品は100点を超え、多くの人気作品も生まれました。新作はネットや展示会などで発表し、販売も進めてきました。同時に、コンペにも積極的に出品してきました。国際的なパズルコンペ(Nob Yoshigahara Puzzle Design Competition)では、改めて振り返ってみると、期待以上とも言える入賞・入選を頂いてきました。(「カシオペア」「カルテット」「シマウマの夢」「てんとう虫のサンポ」「猿駕籠」「鍵箱」「くるくるハート」「W-O」「巡り合い」「樹のある箱」)。研究会は、これからもこうした創作活動に積極的に取り組んでいきます。
 さて研究会は、そうした創作活動の一方で、今後の新たな取り組みの1つとして、研究会以外の方々が作った作品の紹介に取り組んで行きます。私たちはこれまで、色々な場面で、面白いアイディアでありながら、まだ世に余り紹介されていない作品がたくさんあることを感じてきました。そうした作品に注目し、紹介する取り組みを進めていきます。作品の開発や製作、販売のお手伝いをすることも考えています。研究会は、この企画を通じて、からくりの世界が更に広がることを期待しています。皆様の周りのそうした情報も、ぜひお寄せ下さい。
 

(以上)